バンコクで髪を切る


ミャンマーの後、大好きになってしまったラオスに戻って、また2週間以上、絵を描く日々を過ごした。ビザ無し滞在期限がギリギリ過ぎてしまったため、オーバースティのペナルティ・フィーまで支払ってまだ性懲りもなく離れがたい気持ちを抑え込み、バンコクに戻って来た。

結局ここでも一週間弱、インドへ発つ前に粘ってしまったけれど、唯一の進歩は、髪を切ったこと
ここ数年、ずっとオカッパ頭で過ごしてきた身としては、肩に触れるか触れないかくらいに伸びただけでもうっとうしくって仕方がなかった。

特に、東南アジアは、今はまだ雨季。
湿気の多い日や雨の日は、昔から泣かされてきたくせ毛が元気いっぱいになって、おさまりがつかない。これがイヤで、働いて自分でお金を稼ぐようになってからは、ずっと縮毛矯正をかけてきた。でも、さすがに異国の地で縮毛矯正をかける気にはなれず…。事前にネットで調べてみると、日本人経営でスタッフも日本人の美容室がいくつかヒットしたけれど、そこまでするのもどうかなぁと思い、カットだけを求めて、カオサン近くの美容院をいくつか物色した。結果、スーパーの最上階に入っていた美容室に決定。一度目はちらっとのぞいて、怖気づいて引き返してしまったけれど、翌日、覚悟を決めて再度行ってみた。

カットをオーダーすると、日本と同じように、まずはシャンプーから。
シャンプー台に横になる。よくある顔にかけるシートなどはなく、いきなりお湯、ではなく、水シャワー。この時は思わず「ヒィ!」とおかしな声をあげてしまった。でも、シャンプーもトリートメントもとても丁寧。

続いて、カット。「どのくらい切る?」と聞かれたところで、おもむろにスマホを取り出し、写真を見せた。前回、日本で切った直後くらいの写真。担当してくれた美容師さんは「OK!」と言って、勢いよく切り始めた。

ここから終わるまでが、正直、本当にドキドキだった。なにせ、切っている時の音が、日本で切っている時と、明らかに違う。日本で何年も通い続けている下北の美容院で切っている時の音がシャリ、シャリ、だとすると、今バンコクで切っている音はザック、ザック。もちろん、ハサミをスキバサミに持ち替えることもなく、豪快にすいていく。「こんなに大胆に切って大丈夫??」内心の不安が、「Stop!」の声になって出かかった。

30分くらいでカットは終了。
カット後のシャンプーは無いけれど、とても丁寧にドライヤーでブローしてくれた。一番不安だったのは襟足。最後に合わせ鏡で襟足を見せてもらうと、日本で切った時とそれほど変わらない。ホッとした。

悪くない、と思う。トータル的にはとても満足。よくある最後の切りそろえを、エプロンもタオルも取った後にやってくれたので、首回りと洋服の中が短い髪の毛だらけになってしまったけれど。

切り終わってから「You are nice!」とうれしそうに10回くらい言ってくれた、可愛らしい美容師さん、ありがとうございました。