オフライン・マップ


わたしにとって、諸刃の剣だったオフライン・マップ。
これ、便利なことはこの上ないのだ。特にわたしのような超のつく方向音痴にとっては。

オフライン・マップとは、インターネット環境で事前に地図データをダウンロードしておくと、ネット接続環境の無い所でも閲覧することができる地図のアプリケーション。GPS機能のあるスマートフォンなどで利用すれば、自分が今いる場所の位置情報も示してくれるという優れもの。いくつか種類があるみたいだけれど、わたしが使っていたのは、MAPS.ME。無料。

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今回の旅では、後半からものすごくこの地図アプリにお世話になった。
これを知る前、有名なGoogleマップを試みたことも何度もあったのだけれど、なぜか上手く使えなかった。
ネットに繋がった環境でダウンロードしたつもりなのに、実際に地図を活用したい非ネット環境に来ると、地図がボヤけて上手く表示されないのだ。

それが南米も後半になってから出会った人に教えてもらったこのアプリでは、ダウンロードしたものは確実に表示されたし、道や建物もかなり詳細に表示してくれた。そして何と言っても、GPSが有効であれば、地図上で自分が今居る場所をかなり正確に示してくれる(青いマークが自分の動きに合わせてリアルタイムで動くのだ!)のがありがたかった。
この地図のおかげで南仏のカシでは目的のカランクにたどり着くことができたし、そもそも地図が無ければ怖くて行けなかった所や、行こうと思わなかった所に、オフライン・マップがあることで踏み出せた。
この地図のおかげで、超方向音痴のわたしの機動力は格段にアップした。

こんな風に言うと良いことばかりみたいだけど、細い道なんかもかなり詳細に表示される分、ついついこの地図の全てが最新の正確性でるかのように錯覚して、その道とその先にあるものを求めてずんずん進んでしまい、後悔するハメに陥ったことも実は何度かあった。

トルコのカッパドキアで、奇岩を求めて一人でハイキングに出かけたピジョン・バレーでは、地図上で続いているはずの道がいくつも途絶えていて、何度も戻らなければならなくなったり。「ええい、行ってしまえ!」と無理やり突っ切ろうとして、岩からズリ落ち、名誉の負傷に涙したり…。
ジョージアのメスティアでも、ZURULDI山への道を張り切ってハイキング中に、森の中でかなり本気で迷ってしまって「もぅ、絶対にオフライン・マップの細い道は信用しない!」と心に誓ったり…。
にもかかわらず、インドのラダックでも、レーの町からSaboo村へと続いているように見えた地図上の細い道を頼りに悠々とハイキングに出て行って、道なき灼熱のざれ場を彷徨うハメになり、ほとんど熱射病寸前、ほうほうの体で町に帰り着くという失態…。

でも冷静に考えると、地図が悪いわけではなくて、要は、使う人間のリテラシーの問題。
地図上に見えているからといって、細い道を無闇やたらと突き進むのではなく、あやしいなぁ…道じゃなくなってきてるなぁ…と思ったら、早めに本道まで引き返すことが一番肝心。